Material Romeo

*

Cesare Attolini ~ 英国王から名俳優を魅了したナポリの技巧派サルトリアのしなやかなタイを

      2018/11/15

ナポリの伝統的サルトリア、Cesare Attolini(チェザーレ・アットリーニ)
日本ではあまり知名度が高くなんですが、ネクタイブランドとして最近すごく気になるブランドです。

歴史は1930年~と長く、英国王やイタリア国王、後には名俳優アルパチーノといった様々なセレブリティを魅了してきたナポリの超名門。その確固たるクラフトマンシップから作り出された作品は一度は手にしたいです。

凄くナポリらしい、といいますか。
ネクタイでいえばルイジボレッリの淡い色使いと軽やかさにマリネッラのフォーマルさを足して2で割ったような感じで、非常に使いやすい印象です。

あと、個人的に好きなのは、きちんと歴史と技術に裏打ちされたサルトリアであるっていう事ですね。特に日本で売られているイタリアンブランドの市場は、過大評価されているものが多い(世界的には認知されていないが、なぜか日本でだけはイタリアブランドの代表みたいな扱いを受けている)ような気がするんですよね。セレクトショップの策略というか。。。なんというか。そんな中で、このブランドはまだ認知が低い分、変な日本的バイアスに毒されていないし、純粋に丁寧な職人の手仕事による作品を楽しめるブランドだと思うんですよ。

 

歴史

 

1930年、ナポリの名テーラーLondon Houseの名サルト(仕立屋)であったヴィンセンツォ・アットリーニ氏が、それまでのナポリのスタイルに変革を起こす事に端を発しました。それまでのナポリのファッションは、今ほど軽やかで抜け感があった訳ではなくて、どちらかと言うと、堅苦しくで窮屈な英国スタイルに追従していたのですが、そこに現在のナポリテイストに通ずる軽くてしなやかなジャケットを提唱したのがこの人です。

名門で培われた確かなカッティング技術をベースに、肩のパッドを取り外し、余計な裏地を取り外しベーシックな部分だけを残す事で、それまでにはない軽やかなジャケットを作り出しました。その評判は瞬く間に広がり、当時、様々な場所から名のあるセレブ達が、剛から柔へとシフトした新たなエレガンスの定義を目撃するために訪れたといわれており、その中にはイタリア国王ヴィットリオ・エマヌエーレ3世やイギリス国王エドワード8世がといったビッグネームも(国王をビッグネームといっていいのか 汗)。

その後、彼の6人の子供のうちの一人である、Cesare Attolini氏が参画。
兄弟の誰よりも、父親の仕事を間近で見ており、幼い頃よりカッティング技術や縫製技術などサルトとしてのスキルを身に着けました。彼は20代前半に名門テーラーのディレクションをするためトリノへ渡り経験を積んだ後、ナポリへ戻りCesare Attoliniをさらなる成功のステージへ引き上げました。

その後、彼の息子であるMassimiliano氏とGiuseppe氏に引き継がれ、世界から厳選されたファブリックを調達し、かつ、祖父の時代から引き継がれる確かなカッティングの技巧をベースとして、世界中に最高の着心地のスーツや、ネクタイやスカーフなどのアクセサリを発信しています。

 

受け継がれる技巧

 

cesare6

 

Cesare Attoliniの作品は「不完全な体にフィットする不完全な服を仕立てるのが良いクラフトマンシップである」という独特な哲学に基づいています。つまり、人によって体系は違い、唯一無二の完全な服というのはなく、それぞれの人にベストな形はあり、それを作品に落としていくのが職人の仕事だとされています。そこに今日の同ブランドに対する「最高の着心地」の秘密があるのでしょう。

cesare8

例えばCesare Attoliniのジャケットは生地の厳選、ライニング、カッティング、ソーイング、、、、アイロンと様々な工程をすべて丁寧な手仕事で行っており、130人のテーラーがそれぞれの工程を丁寧にこなしています。一着を作るのにおよそ25~30時間。たくさんの職人が関わってそれだけの時間がかかるのですから、かなり丁寧に一つ一つ作られた作品という事がわかります。

 

Cesare Attoliniのネクタイを

 

そんな呆れるほど真面目で、愚直なクラフトマンシップに裏打ちされた作品としてのクオリティの高さは当然にネクタイにも表れています。厳選された生地は非常にしなやかで、ナポリ・ブランドらしい発色の良さと決してケバくない上品さを両立しています。
ハンドメイドによるセッテピエゲ(7つ折り)の柔らかな立体感は同じイタリア系のブランドでも類をみない仕上がりです。

 

cesare1

cesare3

cesare5

不思議な魅力です。
綺麗な発色と色使いの反面、落ち着いていて使いやすいデザイン。今年ぜひ一本入手したいブランドです。

 - イタリアブランド, ネクタイ